【開催報告】2021年度共同利用・共同研究拠点成果報告会
2022年2月4日、2021年度 共同利用・共同研究拠点成果報告会を開催し、101名の参加があった。本会は、ハイブリッド形式で開催する予定であったが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、Zoomによる完全オンライン形式にて開催した。
本年度は、2つのセッションにおいて、最新の技術開発と、疾患治療や創薬開発が期待される計6題の研究成果が発表された。前半のセッションでは、アポトーシス時などで生じる細胞膜リン脂質の非対称性崩壊を制御するリン脂質スクランブルの分子機構解明、近位依存性ビオチン化酵素AirIDを用いた最新のタンパク質相互作用解析技術の開発、及び、一酸化窒素によるS-ニトロシル化の基質となるDNAメチル化酵素の同定と、それを標的とする癌治療創薬の開発に資する研究成果が発表された。後半のセッションでは、膵内分泌細胞の機能的多様性と膵癌の発症機構における膵島PP細胞の新たな役割、自閉スペクトラム症で同定された分子のde novo変異による病態発症機序の解明、及び、血管新生阻害による癌治療法開発に資する血管束移動メカニズムに関する研究成果が発表された。
いずれのセッションも活発な意見交換が行われ、盛会のうちに本会を終了した。
プログラム
- 13:00~13:05
- 開会の辞(先端酵素学研究所・所長:片桐 豊雅)
<セッション1> 座長:小迫 英尊
- 13:05〜13:45
- 長田 重一(大阪大学 免疫フロンティア研究センター 教授)「Xkr リン脂質スクランブラーゼ」
- 13:45〜14:25
- 澤崎 達也(愛媛大学 プロテオサイエンスセンター 教授)「近位依存性ビオチン化酵素AirIDを用いたタンパク質相互作用解析」
- 14:25〜15:05
- 上原 孝(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授)「レドックスによる新規遺伝子発現制御機構に基づいた創薬戦略」
—-休憩20分—-
<セッション2> 座長:齋尾 智英
- 15:25〜16:05
- 藤谷 与士夫(群馬大学 生体調節研究所 教授)「PP細胞から切り拓く膵島研究の新展開」
- 16:05〜16:45
- 中澤 敬信(東京農業大学 生命科学部バイオサイエンス学科 教授)「iPS細胞技術及びヒト型疾患モデルマウスを用いた自閉スペクトラム症の分子病態研究」
- 16:45〜17:25
- 木戸屋 浩康(福井大学 学術研究院医学系部門 教授)「血管構造をかたち作る微小環境ダイナミズム」
- 17:25~17:30
- 閉会の辞(先端酵素学研究所・副所長:親泊 政一)
問い合わせ先
徳島大学先端酵素学研究所 大東 いずみ
e-mail: ohigashi@genome.tokushima-u.ac.jp