所長挨拶

 

徳島大学先端酵素学研究所は、1961年に設立された医学部附属酵素研究施設をルーツとして、約60年にわたり生命現象の中心的な役割を担う酵素について生体反応の触媒としての構造・機能を探るこれまでの酵素学を基盤に、現在ではオミクス・ゲノム編集などの最新科学技術を用い、ゲノムから個体に至る生命情報の本質的・統合的な理解につながる最先端の医科学研究を展開することをミッションとしています。

現在の研究所は、2016年4月、初代所長高浜洋介教授の先導の元、酵素学研究の伝統と先端的基礎医科学研究が融合した附置研究所として発進致しました。その後、第2代所長の佐々木卓也研究担当理事により、先鋭的な医科学研究の発展を目指すことを目的に、徳島県最大の健康課題である糖尿病をはじめとした生活習慣病・がん・免疫疾患といった、従来の疾患単位で進められてきた研究を“慢性炎症”という共通する病態基盤で捉えた研究領域が構想されました。そこで、2020年度から、第3代目所長片桐豊雅教授の元、酵素学研究拠点としての先導的な研究成果を基盤に病態解明と医療応用を目指す「基幹研究部門」と、慢性炎症研究を柱として新たな学術領域の創出と牽引を目指す「重点研究部門」の2部門に再編成し、この両輪を軸とした拠点活動へ転換しました。それにより、文部科学省の共同利用・共同研究拠点の「酵素学研究拠点」として再認定を受け、また「高深度オミクス医学研究拠点形成事業」および「共創の場」通じた国内の先駆的研究者とのコミュニティ形成を通じ、本学の掲げる疾患生命科学の研究において中核的役割を担っています。

これからも、本研究所に所属する研究者が国際的に高く評価される先端的研究成果を発信し続けることはもとより、未来を拓く若手研究者にとって魅力あふれる研究所であることを目指し、国内外の先駆的研究者とのコミュニケーションを図りながら、より一層の研究機能の強化と優れた人材の育成と集積を推進していきます。どうぞ、本研究所への温かいご支援とご指導を賜りますことお願い申し上げます。

先端酵素学研究所 所長

松久 宗英

沿革

昭和36年4月1日 文部省令第7号国立学校設置法施行規則の一部を改正する省令により、徳島大学医学部附属酵素研究施設として設置
昭和62年5月21日 文部省令第17号国立学校設置法施行規則の一部を改正する省令により、徳島大学医学部附属酵素研究施設及び医学部附属海洋生物実験所を包括して、徳島大学酵素科学研究センターを設置
平成9年4月1日 文部省令第13号国立学校設置法施行規則の一部を改正する省令により、10年期限の研究機関として、酵素科学研究センターを改組して、分子酵素学研究センターを設置
平成19年4月1日 10年期限の研究機関として、分子酵素学研究センターを改組して、疾患酵素学研究センターを設置
平成22年4月1日 共同利用・共同研究酵素学研究拠点に認定
平成28年4月1日 疾患酵素学研究センター及び疾患プロテオゲノム研究センターを改組して、先端酵素学研究所を設置するとともに藤井節郎記念医科学センター及び糖尿病臨床・研究開発センターを同研究所の附属施設とする。
平成28年4月1日 共同利用・共同研究酵素学研究拠点に認定